塩化セシウムCsCl斜め切りの詳しい作り方塩化セシウム型の結晶模型・斜め切り の作り方【1】アクリル板のカット 結晶格子模型のキーになるのはアクリル板の箱です。 アクリル板は透明度が高く、精度の高い工作ができるので 模型の他にも色々な器具を作って利用しています。 塩化セシウム型の結晶模型・斜め切りを作ってみます。 アクリル板の保護紙にカットサイズに合わせて直線を引きます。 下図はカットの図です。 アクリルカッターの先端を使って、保護紙を切り、アクリル板に傷をつけます カッターの手前の刃を使い、繰り返しアクリル板を削ります。 キリキリ音がして切り屑が糸のように出て来ます。 2mm厚のアクリル板を使いました。厚みの1/3くらいまで傷を入れるといいでしょう。 特に両端はしっかり傷を入れてください。折り取るときに斜めに割れます。 机のはじに折り取る傷を合わせ、一気におります。 机面を左手でしっかり押さえて、右手のひらで上から押し込んで割ります。 このとき躊躇せず「一気に」です。「バン」と音がして綺麗に折れます。 恐々やると、思わぬ方向に掘り切れてしまいますよ。気合が大事です。 両面の保護紙のうち1面がはがれます。また貼り直しておいてください。 次の作業まで、傷や汚れを防ぎます。 カット作業は以上です。 【2】アクリル板を曲げる アクリル板は80℃で軟化します。この性質を使って 綺麗に曲げることができます。 ニクロム線ヒーターを用意します。写真は自作のもの。電源(実験室にあります)に 繋いで、12Vで1.4Aくらい。すぐに赤熱し、使用可能になります。 アクリル板を加熱し、曲げます。 曲げる位置に直線で印の罫書き線を入れておき、ヒーターの真上におきます。 ニクロム線が赤熱し、乗せてから80秒弱で、指で押すと(ちょっと熱い) クニャと曲がる感じがします。 すぐ取り出して、木片の90°の角に当てて、しばらく保持します。 これで、直角三角柱(斜め切り)のパーツが出来上がりました。 あとは、これを貼り付け、箱にします。 アクリル板曲げヒーターは市販しています。「模型の作り方①」に載せてあります。 市販のものを使うときも、罫書き線を合わせてヒーターに乗せ、指で触って 軟化して来たら上の説明と同じように曲げます。 【3】貼り合わせてケースを作る 底面の直角三角形に曲げたアクリル板を接着します。 準備として、セロテープで2箇所仮止めしておきます。 接着剤のジクロロメタンがセロテープにしみあがると アクリル面を溶かして、汚れになるので、接着剤を少し流して 一部を接着してからテープを剥がし、全体を接着すると 綺麗に仕上がります。 ジクロロメタンは蒸発しやすいので、容器本体を持つを体温で ピュッと駅が飛び出し、アクリル面を汚します。 写真のように容器の首を持って、手の内側の体温で、流出量を 調整するようにしてください。 下の写真は正面のアクリル板を接着し、三角柱の容器を作ったところです。 底面をぴったり机に合わせると、上面の長辺が1mmほど三角のアクリル板 から、下がってしまいますが、重なってますので、ここも接着剤を流して接着。 下の写真が完成したケース。まだ、スチロール球を納めていないので、 上の三角形のふたは接着してません。 初めて作ると多少のずれや汚れが気になるところですが スチロール球を納めると目立たなくなります。安心して、続けましょう。 【4】中に入れる発砲スチロール球を着る 発泡スチロール球を切断します。この方法を身につけると、体心立方格子・面心立方格子は簡単にできるようになります。セシウムイオンは7.5cmの半球を購入しました。難しいのは、塩化物イオン、直径7cm球を45°の角度で切断すること。では、見ていきましょう。 まず半分にします(上左)。ちょうど7cm球は200mLビーカーが 切り型になります。球には半分のところにうすいついているので それに合う、ビーカーを探し、切り型にするといいでしょう。 スチロールカッターで切ります(上右)。 一回カットしたら、合わせて90°回してビーカにはめ直す。(上左) ②の線がビーカー面に垂直になるようにしてセットして、 ビーカーの縁をガイドに切ります。 さらに、2本の切り線をそれぞれビーカー面に垂直にして切ると、 1/8球ができます。1/8球を45°の角度で切って1/16球を4つ作ります。 この時も、1/8球をまとめてビーカーにはめ、三角定規で45°を確認し、 縁をガイドに切ります。カットした材料は(上右)です。 私は、上の写真のような治具を作って使ってます。 ④で作ったは緒来の中に詰め込んでみましょう。 ピタリと合わなくても、気にしない。特に、1/16球はまずあいません。 あふれると思いますが、押し込んでください。 【5】発砲スチロール球の色塗り、完成へ 塩化セシウム型の結晶模型・斜め切りを作っています。 今回は6回目、切断した発泡スチロール球に色を塗り、 アクリルケースに収めます。 教科書や図説では、セシウムイオン=青、塩化物イオン=緑で表現されていますのでこれに従って塗装します。 塗料は、アサヒペン多用途水性スプレーを使いました。 「水性」でないと、発泡スチロールが溶けてしまいます。 このスプレーは、スチロール球へのなじみがよく、 早く乾く(2?3時間)ので模型作りに欠かせません。 100円均一「ダイソー」のアクリル水性塗料(刷毛塗り)を 試してみましたが、表面へののりが悪く、乾きも遅いので 使い勝手が悪いと感じました。 乾いたら、アクリルケースに収めます。微妙な寸法違いは気にしないで グイグイ入れてください。 上蓋を接着前、接着面に触れそうな塩化物イオンにメンディングテープ を貼って保護します。接着液が少量でも発泡スチロールに触れると、 醜く溶けていきます。 後は、蓋をして、「模型を作る④貼り合わせてケースを作る」を参考に 貼り付ければ出来上がりです。 蓋は発泡スチロールに触れないところを何箇所か接着すれば十分です。 |